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September 12th 
カツッ、カツッ、カツッ

どこかから足音がする。

"ちょっと!

勝手にあたしのこと死んじゃったことにしないでよ"

そう言って僕の使っているスツールにジャンプする。

僕の顔色を窺っているようだ。手を伸ばすと鼻先を近づけて何かを確認しているみたいにも見える。

"急にいなくなるからね、つい..."

"あたしはあと100年は生きるプランなんだから"

"さいで"

言いたいことを言って満足したのか僕に背を向けて丸くなる。ここ何日間はふらつき弱々しくて、眠れてもいないみたいだったのに、それがいまは嘘みたいにすやすや寝息までたてている。あれはなんだったんだろう。スツールに敷かれた布の彩飾に目を向ける。昔から使っているスツールは、脚の部分がよろよろしていて誰も座ることはできなかった。だから、どこかから別の椅子を持ってきて座り、スツールの上には自分好みの布切れを被せて自らの脚もそこに乗せている。

"脚だけなら平気だよ?"

とそのスツールに言われたので

ためしに、

"うちの犬もいるんだけど大丈夫?"

と聞いてみたことがある。

少し戸惑っていたけれど

"いいよ"と言ってくれた。

もう二年くらい前だったかな。ふと過去を振り返ってみたが、また布切れに視点を戻す。黒くて艶のあるさらさらした手触りの布には、カウボーイハットの男たちが気持ちよさそうに馬を操っている光景がいくつも描かれていた。
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